約束のエンゲージリング
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昨日も何事もなく店番を終え、あっという間に彼が帰ってくる日を迎えた。
仮病を使ってしまったせいで昨日は沙羅姉が心配そうに手作りのお弁当を持って様子を見に来てくれた。
申し訳ない気持ちになったけど、それ以上にその優しさに胸が一杯になる。
私は今まで皆んなから貰ってきた沢山の愛情で、これからも幸せに生きていけると再確認できた。
気づけば閉店時間を過ぎていて、片付けを始めていると自動ドアの電源を切った筈のドアから1人の女性が来店した。
片付けをやめ、その女性に声を掛ける。
「申し訳ありません、本日は営業は終了となってまっ、、っ、、。」
顔を上げてその女性に視線を向けると、予想外の人物で思わず言葉が詰まる。
ニッコリ微笑む女性はやっぱり綺麗で目が逸らせない。
「こんばんわ。勿論分かってるわよ?ワザとこの時間を狙ってきたんだもの。少しお話、いいかしら?勿論、彼の事で。」
そう言いながら、カツカツとハイヒールを鳴らしこちらへと近づいてくる女性。