約束のエンゲージリング
episode2
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「こんにちわっ!あっ、、!店長さん!!この前作って頂いた花束が友達にも好評でまた今度の土曜日に友達のサプライズバースデーパーティーするので持っていきたいんですっ!!!予約いいですかぁ?」
ハートマークが飛んでいるのがハッキリ見えるくらい彼目当てで入店したのが分かるほどで、こちらの作業場に響き渡るほどの甲高い猫なで声が聞こえてつい手を止めてしまう。
いつもならすかさず邪魔に入る所だが、ぐっと拳を握りしめて作業場を続けた。
あれから少し彼から距離を置こうと頑張っている。
振られるのは分かっているから、こうして少しずつ慣らしていかなければ急には離れられないと思ったからだ。
耳を塞ぎ、アレンジメント作りに没頭していると店内から彼の声が響く。
『それはありがとうございます。この前の花束は私が作ったものではないんですよ。もう1人のスタッフの子が作ったものでしてね?とってもセンスの良い子で花束を作らせたら私より上手くて。』
「え、、そう、、、だったんですか。」
『あ、丁度作業場におりますので呼びますね。岩田さん!ちょっとこっち来て。』
まさかの彼からの呼び出しに、仕方なく作業を止め店内へ向かう。