約束のエンゲージリング
「はい、店長。何か御用ですか?」
店内に入ると、とっても綺麗で可愛い女性が彼の横に寄り添っていてそれが余りにもお似合いで咄嗟に目を晒す。
すると軽く手を引かれ、お客様の前に立たされた。
『こちらのお客様がご予約をされたいそうだよ。どういったイメージでお作りしたらいいかお伺いして?予約の日時はもう伺ってるあから。』
「わ、かりました。」
少し強引な彼に戸惑いながら女性に声を掛ける。
「、、お待たせ致しました。ご予約の花束のイメージは御座いますか?もしくは入れたいお花等ございますか?」
「えっ、、と、、黄色が好きな子なのでそういう感じでお願いします。」
「長さは長めと短めだとどちらが宜しいですか?」
「短い方がいいかな。」
「では短くブーケ風にお作り致しますね。ではご予約の日時にお作りしてお待ちしております。」
「宜しくお願いします、、。」
注文が終わり、チラリと彼の方を見た女性だったが彼は電話対応をしており少しガッカリした様子で背を向けた。
私にお客様を押し付けたような形で接客した彼がいつもと違って戸惑ってしまう。
店内を出ようとするお客様の背後からいつものように声を上げた。
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」
『ありがとうございましたー。』
振り返ると電話が終わったであろう彼も私に続いて声を上げた。