約束のエンゲージリング
するとそのハンカチをはにかみながら受け取ってくれた。
お互い曝け出して、心が軽くなった今ならずっと聞けなかった事を聞ける気がした。
だから勇気を振り絞って言葉を発した。
「、、多分、沙羅姉気づいてると思うけど明日マサさんとデートに行くの。デートっていってもそう思ってるのは私だけだけどね!明日は雨だし予約もないからお店を休みにしてくれてね、、?一緒にプレゼントを買いに行こうって言ってくれたんだ。」
「うん、そうかなって思ってたよ。」
「それでね、、マサさんの事でずっと聞けなかった事聞いてもいい?」
まるで私が何を聞きたいか分かっているみたいな、、なんとも言えない表情を浮かべてからゆっくりと目を閉じた。
「、、うん、いいよ。私に応えられる範囲なら。」
大きく深呼吸して真っ直ぐ沙羅姉を見つめた。
「、、私のことをね?妹としか見れないのは分かってるの。だから私の事を異性として好きになってくれることがないのは仕方ない事だと思う。でもあんなにモテるマサさんが未だに独身っておかしいと思うの。だってマサさん、何度も彼女居たよね?デートしてるのも見たことあるもん。でも、、私があの店に就職した頃からパッタリ彼女を作らなくなった。最初は私に気を遣ってるのかもって思ってたけどそうじゃないよね?今日買ってもらった服を着た自分を見て、思い出した事があるの。」
「、、うん。どんな事?」
「ああいう格好をした綺麗な女性がマサさんと寄り添ってる歩いている姿を。顔はイマイチ覚えてないけど、、凄い綺麗な人だった。よくお店にも来てたし、長い間その女性を見てた気がする。だからきっと長い期間、マサさんの恋人だったんでしょ?でも、私が就職するほんの少し前から全然姿を見なくなった。その頃、マサさんが元気なくていつもどこかキツそうで心配だったからよく覚えてる。あの頃はきっと一人で仕事に追われて疲れてたんだって思ってたけど、、、違ったんじゃないかなって今なら思うの。」