約束のエンゲージリング
「そう。マサくんや私達の2歳年上のその人は足しげく通ってたわね。暫くして付き合い始めたって報告を受けたよ。とっても嬉しそうで幸せそうだった。それから9年間。マサくんはその女性を大事にしてた。それだけ続くくらいだからきっと、、マサくんにとって初恋で本気で好きになった人だったんだと思う。、、、結婚も考えてたんだと思うよ。」
24歳から9年間というとマサさんは33歳で相手の女性は35歳だ。
結婚を考えるのは自然な流れだ。
「そんな2人に何があったの、、?」
沙羅姉は視線を逸らして表情を酷く歪めた。
そして小さく呟いた。
『、、結婚してたの。マサくんと出会った頃から既に夫がいて、家庭のある人だった。』
その衝撃的な言葉を聞いて目を見開いた。
マサさんと出会う前から、、?
じゃあマサさんは遊び相手だったって事?
「っ、、、つっ、、!」
声が出そうになって咄嗟に手で口を覆った。
泣き叫びそうになる自分を必死に抑える。
その代わりに止まらない涙。
一体マサさんはどんな気持ちだったの?
結婚まで考えていた愛しい恋人に最悪な形で裏切られたら、、私だったら立ち直れない。