約束のエンゲージリング
すると今度は沙羅姉が大きめなタオルを頭から掛けてくれた。
そして優しく頭を撫でてくれる。
「、、相当傷ついたと思うよ。あんな事があったら確かに恋愛不信にもなる。だから前にも言ったけど千佳だから無理とかじゃないから。きっと誰も受け入れられないんだと思う。誰かを本気で好きになってまた裏切られるくらいならずっと〝独り〟でいいって思ったんじゃないかな。だから未だに、、、。」
沙羅姉の話を聞いて、少しだけ彼を理解した気がする。
彼に想いをぶつけて前に進もうって思ってたけど、そんなの自分の都合だ。
それで私はスッキリして満足するかもしれなけどマサさんは、、、?
恋愛を遠ざけてきたのに、よりによってずっと〝妹〟として接してきた子から告白なんかされたら、、戸惑って、困って、またツラい思いをさせてしまうかもしれない。
大好きなマサさんにそんな思いさせるくらいならもう一層の事、、、。
沙羅姉に掛けてもらったタオルで強めに顔を擦って涙を止める。
そして自分の決心を呟いた。
「、、沙羅姉、私。やっぱり告白は止める。わざわざマサさんに自分の想いをぶつけなくても前に進む方法はあると思うから。マサさんとは〝恋人〟にはなれなくてもずっと〝家族〟では居られるから。」
「千佳、、、。」
「そ、それに!家族だったら終わりなんて来ないしっ、、!なぁんてっ!!、、本当は意気地なしなだけなんだけどねっ?」