約束のエンゲージリング
心配そうな表情を浮かべて来る沙羅姉に、笑顔を貼り付ける。
「でも、、、、千佳はそれでいいの?」
「、、うん。その代わりっ、、!告白もさせてくれないマサさんにはすっっごい高価な誕生日プレゼント買ってもらうからいいの!!!それで、、許すよ。」
眉を下げて目一杯微笑むと急に立ち上がった沙羅姉が隣の椅子に移動してきて痛いくらいに抱きしめてきた。
「沙羅姉、、?」
「約束してたでしょ?こうして抱きしめるって。千佳は可愛くて美人でそれでいて物凄く優しい子だからっ、、、絶対に素敵な人と巡り会えるよ!!そんで千佳を物凄い幸せにしてくれる相手じゃないとお姉ちゃん、許さないよ、、、。」
沙羅姉の声と体が小刻みに震えていて、泣いているんだとわかった。
沙羅姉が一緒になって泣いてくれたから心が少しだけ軽くなった。
今の沙羅姉より幸せになるのなんか至難の技だけど、きっとなってみせるんだって心に誓った。
2人とも涙が止まった頃に、孝兄から連絡が来てショッピングモールを出た。
一瞬、怪訝な顔をした兄だったが目が腫れている理由には触れる事なくアパートまで送ってくれた。
「じゃあ、今日は急な時間から本当にありがと!それに洋服もありがとう!!沢山着るね?」
「ううん!私も楽しかったよっ!今度は子供服見に行くのに付き合ってよねっ。」
「勿論だよ!荷物持ちは任せてっ!!!じゃあ、おやすみなさい。」