約束のエンゲージリング
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「お風呂上がったよー、、って由羅寝ちゃった?」
千佳をアパートに送ってすぐにお風呂に入り、上がると眠る可愛い我が家の天使を優しく抱えている愛しい人。
私の最愛の人で千佳の兄である彼。
「あぁ。カフェでもやたらテンション高かったから疲れたんだろ。風呂は朝から俺が入れる。取り敢えず寝室に寝かせてくる。」
「うん、ありがと。」
そう言って寝室に向かった彼は、すぐにリビングに戻ってきてソファーに腰を下ろした。
「、、で?2人して泣いてた理由は?」
やっぱりバレてたかと苦笑いを浮かべる。
本当によく表情をみている。
人の感情には昔から敏感で、悲しい過去がそうさせているのだと思うと居た堪れない気持ちになる。
高校で同じクラスになった彼。
校内で彼らを知らない人間はいないくらい目立つ存在だった彼ら。
柔らかい雰囲気で優しいイケメンの〝牧野 正巳〟とクールで少し近寄り難いイケメンの〝岩田 孝之〟
対照的な2人は幼馴染でいつも一緒だった。
そんなクールで少し近寄り難い彼に恋に落ちた。
きっかけがなんだったかは覚えていない。
今から随分と昔の事だから。