約束のエンゲージリング
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車を走らせること1時間。
彼が目指していた目的地へと到着した。
『はい、到着〜〜。』
「えっ!?この場所って、、、、!」
そこはつい最近出来たばかりのいくつもの有名専門店が立ち並ぶ1つの街のようなショッピング施設。
この前買った雑誌にたまたま載っていて、行ってみたいと呟いた記憶はある。
でもあれは独り言のような小さな呟き。
あんな小さな独り言を彼が聞いていたなんて思いもよらなかった。
平日だというのに、さすがに話題のスポットなだけあって大勢の買い物客。
あまりの人の多さに車から出るのを尻込みしていると、私が座る助手席のドアが突然開いた。
そしてグイッと車外へと引っ張りだされた。
『ここ、千佳が行きたがってたとこでしょ?こんだけ広いと丸一日時間があるって言ってもぼさっとしてたら全部見てしまえないよ?目標は全店、コンプリートだから。』
グイグイと手を引かれ、駐車場から施設の入り口へと足を進める。
そして入り口で立ち止まった。
『、、1つの街みたいだね。ここなら千佳が欲しいものも見つかるかな。』
こちらに視線を向け嬉しそうに微笑んでから、未だに入り口から動けずにいる私をおいて一人で施設の中に足を踏み入れた。