約束のエンゲージリング


困らせたい訳じゃないのに、止まらない涙に両手で顔を覆う。







「マサさん、ごめんなさい。でも、、どうしようっ、、!涙止まらない。だってっ、、こんなサプサイズディナーなんて初めてで嬉しすぎて涙止まらないよ。」


涙で視界がボヤける中見えたのは少し困ったように優しい表情を浮かべる彼で、その表情が本当に愛おしい。

彼を好きになって本当に良かった。



たとえこの想いが報われなくてもいいと思える恋だった。





だって彼は今だってこんなに大事にしてくれるし、きっとこれからだって私を〝妹〟として大事にしてくれるって分かってるから。




今日は貴方に片想いをする最後の日。

だからせめて笑顔で残りの時間を彼と楽しく過ごしたい。



必死に涙を拭いて、彼を見つめた。









「マサさん大好き、、!本当にありがとう。今日1日、本当に素敵な誕生日になったよ!!」


そう感謝をのべると、自然と笑みが溢れる。







『、、喜んでもらえたなら何より。じゃあコース料理だからどんどん食べ進めていかないとテーブル中、料理だらけになっちゃうからね?』

「走りすぎてお腹ペコペコだから大丈夫!」




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