約束のエンゲージリング



「マサさんは今、来客中。何か用事だった?伝言があれば伝えておくけど?」

「いや、大した用じゃないからいい。、、それより、もちっと気合い入れて仕事しろよ。せめてもっと笑え。そんなんじゃ客寄せパンダにもならねーだろ。」

「客寄せパンダって、、。だから少し考え事してただけで普段はちゃんとしてるってば。も〜〜っ、、、用がないなら出てってよ!!予約分、作らないといけないんだからっ!!!こう見えて私忙しいのっ、、!」







そう言って兄を出入り口の自動ドアの方に押しやる。

しかし図体のデカい兄はビクともしなくて、出入り口付近で兄妹喧嘩のようなご競り合いをしていると奥の客間からお客様と彼が少し急ぎ足で出てきた。



それに気付き慌てて兄から距離取り相手を確認するとよく知った顔だった為、ホッとして笑顔で頭下げた。







「こんにちわ、御船さん。」

「やぁ、千佳ちゃんこんにちわ。店内が賑やかだったのはお兄さんが来てたからだったんだね。牧野君が途中からソワソワし始めたからてっきり千佳ちゃんが行儀の悪い客に絡まれてるのかと思ったよ。勘違いで何よりだったよ。」

「えっ!?すみませんっ、、!声が大きかったですよね?!本当にすみませんでした。、、まだお話の途中だったのではありませんか、、、?」



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