約束のエンゲージリング
そんな私に気づいた沙羅姉が怪訝な顔をした。
「もしかしてマサくん、、?」
「私の自己満の所為でマサさん、一睡も出来なかったみたい。あんなマサさん初めてだったから少し驚いたよ、、。だから今無理矢理横にしてきたところ。」
「、、孝も言ってたよ。マサくんの方が大丈夫じゃなさそうだった。でもあくまでもマサくんが傷つけた方なのに可笑しいよっ、、!千佳の方がよっぽど辛い思いしたのに。」
「そ、それだけ寝耳に水だったんだよ!ビックリさせただろうし、きっと罪悪感もあったんだと思う。」
「そうだったとしても千佳がそんなに心配する事ないの!!寧ろいい気味だって思っていいくらいなんだからっ!」
眉間にシワを寄せながら怖い事を呟く沙羅姉を落ち着かせようと近くの椅子に座らせる。
「沙羅姉落ち着いて?お腹の赤ちゃんに良くないよ!取り敢えず私は大丈夫だから!ね!?あ!それよりも今日の夜ごはん食べに行ってもいい?孝兄に相談したい事があってね?」
「勿論、食べに来て!!ケーキも買っておくから誕生日のやり直ししよっ!!じゃあ孝にも言っとく。」
「ありがと。沙羅姉大好き!」
誕生日をやり直してくれるという沙羅姉の優しさに胸が温かくなって、ぎゅっと両手を握ると今度は本当にお客さんが入店した。