ブラック研究室からドロップアウトしたら異世界で男装薬師になりました
肩まである髪をトップで結い、赤いドレスを身にまとっている。その人物は肩にショールを巻きつけ、笑みを浮かべる。
「リナってば今日もキマってるな」
「ダニエル兄様も」
私の兄、ダニエル・キーンはいつも女の格好をしている。決して華(きゃ)奢(しゃ)でもないし、たおやかなわけでもないのだが、顔立ちが美しいので全身から不思議な色気を放っていた。
彼は男性を好きとか女性になりたいとかではなく、ただ単に女装が好きだという、変わった男なのだ。私は澄まして言った。
「兄様が女性の格好をしているんですから、私が男の格好をしたっておかしくないでしょう?」
「ま、そうだな」
ダニエルが肩をすくめた。そう、性別なんて簡単にごまかせるのだ。見る人間の目を惑わせばいいのだから。
「リナってば今日もキマってるな」
「ダニエル兄様も」
私の兄、ダニエル・キーンはいつも女の格好をしている。決して華(きゃ)奢(しゃ)でもないし、たおやかなわけでもないのだが、顔立ちが美しいので全身から不思議な色気を放っていた。
彼は男性を好きとか女性になりたいとかではなく、ただ単に女装が好きだという、変わった男なのだ。私は澄まして言った。
「兄様が女性の格好をしているんですから、私が男の格好をしたっておかしくないでしょう?」
「ま、そうだな」
ダニエルが肩をすくめた。そう、性別なんて簡単にごまかせるのだ。見る人間の目を惑わせばいいのだから。