「烏丸迅の京都事件簿」
「真澄、隠れとけ!」
「あっ!ちょっと迅くん!?」

山崎さんを大きな樽の陰に避難させると、ドアに立ち入り禁止で立てかけられた木刀を手に取った。

そして高校時代、剣道部だった烏丸は、
真澄の目の前で懐かしい構えを見せる…。

「………っっ!!///」

当時に返ったような気分になった山崎さんは、胸を高鳴らせた。

「おっちゃん相手なるで!!」

声を張り上げ呼び掛けると、青山から烏丸に標的を変えて、再び木刀を振り上げてきた。

カンカン!と木が弾け合う音を立てながら、
天狗と交戦する姿は青山との時よりも激しかった。

「烏丸の奴…剣道やってたのか。」

「中3からやってたみたいやで。」

ハラハラするでもなく、やけに落ち着いている山崎さんの様子に青山は違和感を覚えた。
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