Legal office(法律事務所)に恋の罠 *番外編~ジェラシーは内密に~
「やあ、君が奏のフィアンセの和奏だね。噂通りの美人だ」
ファン氏は、応接室に入室してきた和奏の右手を取ると、ブンブンと嬉しそうに何度も頷いた。
「Hotel Blooming 東京の企業弁護士をしております、夢谷和奏と申します。仲川将生氏の件ではご足労をおかけし申し訳ありませんでした」
「いやいや、あれがきっかけで君が長年のストレスから解放されたと聞いたよ。私も君の役に立てて嬉しい」
いまだに和奏の右手を握り続けるファン氏に、さすがの奏も内心イライラしていた。
なんせ、この2日間、婚約者であるはず奏だって和奏に触れられていないというのに・・・。
和奏はアイアンフェイスを崩さずに、そっと右手を引いてファン氏から離れる。
「そのことに関しましては心から感謝しております。お陰で新しい可能性に気づくことができました」
「そうとも、可能性は無限大だ。たった一つの選択肢に縛られることはない」
和奏の言葉に反応したファン氏は、何か含みを持たせた言い回しをして和奏を挑発している。
「ああ、そうだ、明日、このホテルが主催する私の誕生日パーティーがあるんだ。和奏に紹介したい人物もいるしな。来てくれるかい?」
「はい、明日でしたら・・・大丈夫です。喜んでお祝いに伺います」
「おお、君のような美人が参加してくれるなんて本当に楽しみだ。花を添えるためにもうんとお洒落して来てくれたまえ」
「それでは、執務が残っておりますので、これにて失礼いたします」
そう言って、頭を下げると、和奏は忍者のような素早い身のこなしで応接室を出ていった。
ファン氏は、応接室に入室してきた和奏の右手を取ると、ブンブンと嬉しそうに何度も頷いた。
「Hotel Blooming 東京の企業弁護士をしております、夢谷和奏と申します。仲川将生氏の件ではご足労をおかけし申し訳ありませんでした」
「いやいや、あれがきっかけで君が長年のストレスから解放されたと聞いたよ。私も君の役に立てて嬉しい」
いまだに和奏の右手を握り続けるファン氏に、さすがの奏も内心イライラしていた。
なんせ、この2日間、婚約者であるはず奏だって和奏に触れられていないというのに・・・。
和奏はアイアンフェイスを崩さずに、そっと右手を引いてファン氏から離れる。
「そのことに関しましては心から感謝しております。お陰で新しい可能性に気づくことができました」
「そうとも、可能性は無限大だ。たった一つの選択肢に縛られることはない」
和奏の言葉に反応したファン氏は、何か含みを持たせた言い回しをして和奏を挑発している。
「ああ、そうだ、明日、このホテルが主催する私の誕生日パーティーがあるんだ。和奏に紹介したい人物もいるしな。来てくれるかい?」
「はい、明日でしたら・・・大丈夫です。喜んでお祝いに伺います」
「おお、君のような美人が参加してくれるなんて本当に楽しみだ。花を添えるためにもうんとお洒落して来てくれたまえ」
「それでは、執務が残っておりますので、これにて失礼いたします」
そう言って、頭を下げると、和奏は忍者のような素早い身のこなしで応接室を出ていった。