片想い同盟
拓海を好きになったりしない。
拓海だって、私を好きになったりしない。
それが大前提な私たちの関係。
理由は、お互い別に好きな人がいるから。
でもそれは、私たちにだけは理解できる理由でも、それを周りに説明できるわけじゃない。
だから全力で否定するしか方法はないんだ。本当の理由なんて言えるわけがないから。
「どっからどうみても友達同士にしか見えないと思うんだけど、俺ら」
「それは私も思う」
うんうんと2人で頷いて、周りからの噂は無視するに限ると意見が一致したところで、ようやくおじいちゃん先生が教室にたどり着いたのだった。