片想い同盟


「……そんな固まらないでよ」

「いやだって」

「……うん、私も自分でびっくりしてる。……後悔も、ちゃんとしてる」


なに言っちゃったんだろう、って。


言うつもりのなかった不毛な想いを伝えて、好きな人を困らせて。



「ちゃんと後悔ってなんだよ」

「や、バカなことしたなって」


本当は言うつもりなんてなかったんだよ。でも勘違いされたことがショックで、悔しくて、……つい。


隣でブランコの鎖が揺れる音がしたかと思うと、私の目の前に拓海が立っていた。



「バカだなぁ」


そう言った拓海は、また私の頭をポンと撫でる。……いつもより、ちょっと強めに。



< 116 / 341 >

この作品をシェア

pagetop