片想い同盟


「す、すごい考え方……」

「そうか?」


少し強くも優しかったその手は、次は乱暴に私の髪を撫でた。



「……ちょっとっ!」

「まぁ、とにかく杏はすげぇって話だな」


やっと手を離してもらえたときには、もう髪型はグシャグシャ。


キッと睨みつけても、拓海は「お前はそのくらいがちょうどいいよ」と言って笑った。


拓海なりのその励まし方に、すごく救われた気がする。



「あ、そういやタオルありがとな」

「え……いまそれ言う?」

「は?え、そん時に言ったわけ?」


目を見開いた拓海にコクリと頷くと、彼はなにかを思い出すかのように「だからか」と小さく呟いた。


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