片想い同盟
「え?」
「あー……、いや。高野のやつ、今日珍しく変なミスばっかしてたから」
「動揺しすぎだろ、あいつ」なんて言って顔を歪める拓海に、ちょっと嬉しい気持ちになってしまった私はきっとタチが悪い。
だってそれって、少しは気にしてくれてるってこと……だもんね?
なかば言い逃げのあの状況で、しかも私のことなんて好きじゃないはずなのに。
それでも、少なくともあの優希くんが部活でミスするくらいには、影響があったってこと。
「おーい。顔に出てるぞ」
「え?」
「ったく、ポジティブなやつめ」
私の思ってることがわかったのか、こちらを見て拓海は苦笑した。