片想い同盟
「もう余計なことしないでよね」
「余計なことってなんだよ。俺だって理由なくやってるわけじゃねぇんだぞ」
「は?私をバカにするっていう理由でもあるわけ?」
「んなこと言ってねぇだろ」
私と拓海の言い合いは止まることを知らない。
何故か拓海までイライラし始めて、口調が強くなってきた。
むかつく。むかつく。なんで拓海が不機嫌になるんだ。意味がわからない。
イライラした私は、そのまま拓海の言葉を全て無視して席に着いた。
もう知らない。拓海と口なんて、誰が聞くもんか。
「は?おい杏。無視すんな」
「……」
前の席の拓海は、振り返って私にまだ声をかける。こういうとき、席が前後というのはなんて厄介なんだろう。