片想い同盟
「それにしても久しぶりだね、遠山さん。前に教室から見てくれてたとき以来かな」
「……へっ!?あ、そうだね」
「サッカー好きなんだって?唐沢から聞いたよ」
ニコニコと話されるこの前の出来事に、顔に熱が集まる。
覚えててくれたんだ。この前教室から手を振ったこと。
しかも拓海のやつ、上手く話まで合わせてくれちゃって。
「そっ、そうなの!優希くんのサッカー見てたら楽しそうだなーって思って」
「そっかー!嬉しいな。こんなことなら去年のうちからたくさんサッカーの話しとけばよかったね」
あぁ、もう。こんな言葉までもらえるだなんて。
サッカーが好き、だなんて、ほんの少しの知識しかないくせに。
好きな人の好きなスポーツだから、私も好きになりたい。それだけでも、優希くんは喜んでくれるかな。