片想い同盟


プイッとそっぽを向いた拓海が、なんだか可愛く見える。


嬉しいよ。すっごく嬉しい。


なにより、"一緒にいたいからいる"っていうその言葉。


私だけじゃなくて、拓海もそう思っててくれたのが、今日一番の収穫だ。



「それ以上笑ったら数学追加するぞ」

「えっ、待ってそれは勘弁してください」


まさかの追加発言にギョッとした私を見て、次は拓海が笑う。



「あの2人、ほんっと仲良いよな」

「ねぇ、実際のところどっちだと思う?」

「いや〜、あれはもう完全に付き合ってるでしょ」


拓海との時間が楽しすぎて、同じ教室の片隅で行われていた会話になんて気づくはずもなかった。


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