片想い同盟


「だ、誰のせいだと……!」

「え、俺?」


とぼけるフリをする拓海は、もうひとくち私のアイスを食べる。


突拍子もないことを言った自覚はあるだろうに、なんてマイペースなやつ。



「こういうことするから、噂されんだろうな」


そう言って見つめる先には私のアイスがあって、拓海の言いたいことはなんとなく理解できた。


こうやって一緒に勉強して、一緒に帰って、アイスだって交換して。

同性の友達とならよくあることなのかもしれないけれど、男女になるとまた捉えられ方が変わっていく。


「……拓海はイヤ?私と噂されるの」


自分でもなにを聞いているんだろうとは思った。

けど、気になってしまったことがそのまま口に出てしまったんだから仕方ない。


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