片想い同盟


そこには、たったの2行。


"遠山杏樹さん
放課後、体育館裏で待ってます。"



「……ついに来たか」


先に声を発したのは、拓海の方。

その声質からは、感情は読み取れない。



「ついにって、なによ」

「いやこれ、どう見ても告白の呼び出しじゃん」


サラッと、拓海はとんでもないことを口にした。


「は……?告白?誰に?」

「いや、お前以外に誰がいんの」

「いや、これリンチの呼び出しじゃなくて?」

「はぁ?」


いたって真面目な私に、拓海の顔はみるみる険しくなる。


……あ、やば。しまった。



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