片想い同盟
「なに、良いことでもあったわけ?」
「まぁ、ないわけではない。聞きたい?」
「……うわ、めんどくさくなりそうだからいいわ」
「ちょっとー。あんたが聞いたんでしょ?」
拓海がやっと私が上機嫌な理由を聞いてくれて、やっと話ができそう。
顔をしかめた拓海の気持ちなんか無視して、私は今あった出来事を全て話した。
……話した、はいいものの。
「ふーん。で?」
「え、なに、その反応」
全て話し終えた頃には、拓海は机に肩肘をついて呆れ顔だった。
「だって、高野と話しただけだろ?なんでそんなに浮かれるんだよ」
「はぁー?だって久しぶりに2人でだよ?そんな幸せな状況ないじゃん!」
「あーはいはい。よかったですね」
どれだけ私が今幸せ気分なのかを伝えたくても、拓海には全く伝わってはいなかった。
この男に乙女心はわからんのか。