片想い同盟
「だって、そうやって私の存在に腹を立てるってことはさ。それだけ私と拓海の仲がいいってことでしょう?」
ピント人差し指を立ててドヤ顔で言い放つ。
というか、そうとしか捉えようがない。
自分たちが仲いいのはお互い自覚済みだ。
そしてそれが周りにも伝わるくらいなら、本気で私たちは仲良しこよしってことになる。
「ポジティブに考えようよ。これは"いい兆候"」
ね?とにっこり笑って見せると、拓海は数秒固まったあとで長いため息を吐いた。
「は〜……。お前、考え方ぶっ飛びすぎ」
ガシガシと頭をかいて、苦笑する。
ついさっきまで不機嫌に顔を歪めていたはずの拓海の表情は、あっという間にほぐれた。