片想い同盟
「あっ、あと」
そんな拓海の目をまっすぐ見て、私は続ける。
「お願いだから自分のせいでとか思わないでね。私は拓海といたいから、いま一緒にいるの。拓海だってそうでしょう?」
「……ったくお前は、よくもまぁそんな小っ恥ずかしいことを次々と……。いやまぁ、俺だってそうだけど」
伏し目がちにそう言った拓海の耳は、ほんのり赤くなった。
わ……、拓海が照れてる。
それを見て、どこかくすぐったい気持ちになった。
拓海といると安心して落ち着いて過ごせるのに、ここ最近はふとしたときにこういうくすぐったい気持ちになる。
慣れないこのふわふわしたような感覚は、不思議と嫌ではない。
「えへへ」
「んだよ、急に」
「んー?照れてる拓海が可愛いなぁと思って」
ニコニコ……というよりニヤニヤが堪えきれなくて拓海に睨まれたけれど、それもまた嫌ではなかった。