片想い同盟
思わず、思っていた言葉が口から出て、はっとする。
わ、私ってば、いまなにを……!
慌てて顔を上げると、案の定拓海はポカンと面食らったような表情を浮かべていた。
「や、だって、今日でしばらく学校ないしっ。夏休みは拓海も部活で忙しいだろうから会うこともないかなって……!」
自分で発しておいて、急に恥ずかしくてたまらなくなった。
なんとか誤魔化したくて早口で思いついた言葉を並べるけど、言い訳にすらなっていない気がする。
あたふたしながらまた口を開こうとしたところで、今日何度目かわからない拓海の優しい手が、私の頭を撫でた。