片想い同盟
「わっ、雑、雑!拓海ごめんって!許してください〜」
もはや髪というか、頭をぐりんぐりん回されているような感覚で、ようやく離してもらってもなんとなくまだその触感が残っていた。
こんなときでさえ、夏休み中は拓海とこんなことすらできなくなるんだと、そればかりが頭をよぎる。
かなり重症かも、私。
「まぁ、部活はあるけど、休みの日もあるからそんときは会えるし。それに、メッセージと電話ならいつでもできるから」
「えっ、本当?」
「ふはっ、犬かよ。杏ちゃん、そんなに俺と離れるの寂しい?」
その言葉にあまりにも咄嗟に反応してしまったものだから、拓海はそんな私をみてニヤリと笑う。
う……もうさっきから恥ずかしいことだらけだ。
なんかもう、変。
拓海のせいでずっと一喜一憂してる気がする。