片想い同盟
□ 気づいた想い
ピコン、とスマホが音を立てて、反射的にそれを手に取った。
【じゃ、部活行ってくる】
端的なその一言でも嬉しくて、【頑張ってね!】という言葉とともに、少しかわいげのあるネコのスタンプを送る。
夏休みに入って、早1週間。
予想通り拓海は部活が忙しくて、私たちはあの日以来会えていない。
やっぱり寂しいとも思うけど、メッセージのやりとりや、たまに夜に電話もしているからまだ心は穏やかだ。
「……なんか、私」
バフっとベッドの上に寝転んで、天井を仰ぎながら思う。
……私、拓海のことばっかりだ。