片想い同盟


じゃあって、そんな適当な。


「なに。行くつもりなかったの?」


そう聞いてみれば、『その日も日中は部活あるし』と事情を説明された。


あ、そっか。その日も部活なんだ、拓海。


部活三昧で大変そうと思いつつも、サッカー好きな拓海にとっては嬉しいことなんだろうなぁとも思ってみたり。



『でも、』

「ん?」


そんなことを考えていたから、次に出てきた拓海の言葉は本当に不意打ちだった。



『杏に会いたいから行く。夏祭り』



ドキッと、心臓が音を立てたのはその直後。


たったその一言に、自分でも驚くくらいに心臓が跳ねたのがわかった。


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