片想い同盟
■ 募る独占欲
* 拓海 side *
「いや〜。にしても可愛かったなぁ、遠山さん」
「安達お前、いい加減うぜぇんだけど」
さっき買ったラムネを飲みながら、中学の頃の腐れ縁、安達は、何度目かのそのセリフを口にした。
視線はポワンとどこか上を向いていて、早くつまずいて転びでもしないかとこっちは願うばかり。
ったく、杏のやつ……。安達に気に入られやがって。
コイツは昔っから女好きで、それでいて惚れっぽい。
さっさと他の気に入った女が現れてくれれば、杏をこのアホの脳内から消滅させられんのに。
「やー、マジでお前が羨ましい。俺も遠山さんとお近づきになりたい」
「もうぜってぇお前と杏は会わせない」
羨望の眼差しで訴える安達の願いは、バッサリと切らせてもらう。