片想い同盟


「じゃあ聞くけど、俺が遠山さんと仲良くなっていいわけ?」

「いや、それは無理」

「ははっ、即答」


咄嗟に出た言葉に、安達はケラケラと笑う。


あーもう、なんなのこいつ。


「とにかく、俺はお前が女に興味があることを知れて嬉しいよ」


そう言って肩をポンと叩く安達は、いったい俺をなんだと思っているんだろうか。


そうは考えつつも、心のどこかではそれを自覚している部分もあって。


さっき会ったはずなのにもう会いたいだなんて思うくらいには、俺はもう安達の知ってる俺ではないんだと思う。


< 242 / 341 >

この作品をシェア

pagetop