片想い同盟
ふと、隣の優希くんがクスリと笑う。
「ん?」
「あ、いやごめん。あんまりにも遠山さんが素だから、つい嬉しくて」
目を細めてクスクス笑った彼は、言葉のとおりどこか嬉しそう。
それは私も同じで、つられて一緒に笑った。
「あ、もうパス練始まってる」
廊下の窓から見えるグラウンド。
そこにいたサッカー部の仲間たちを見て、優希くんがそんなことをつぶやいた。
私も、サッカーボールを蹴るサッカー部員たちの中に、ボールを手にグラウンドに入った拓海の姿を見つけて、思わず笑みがこぼれる。
相変わらず楽しそうな顔しちゃって。