片想い同盟
「ごめん、遠山さん。俺走って行くわ」
「あっ、うん、大丈夫だよ。部活頑張ってね」
キラキラした顔をした優希くんは、私にそう言って手を振ると廊下を走って行く。
拓海といい優希くんといい、みんなサッカーがやりたくて仕方ないのが伝わってくる。
その背中を微笑ましく見つめたあと、私はもう一度窓の外を眺めた。
………あ。
練習している部員のそばで、スコアボードのようなものを持って何やら書き込んでいるポニーテールの女の子を見つけた。
白石さん。
相変わらず小柄で可愛らしいその姿は、サッカー部員の癒しなんだろうなぁと思ってみたり。