片想い同盟

□ 欲張りな気持ち



「遠山ー、この看板に使うペンキ足りなくなりそうなんだけど」

「杏樹ちゃん、衣装こんな感じでどうかな?」


本格的な学校祭の準備が始まって、慌ただしい日々が続いていた。

今日で、学校祭1週間前。



「ペンキね!予算渡すから、先生に外出許可もらって買い出し係の人たちで行ってきてー!  わぁっ、衣装イイね。なんかすごい本格的〜」


渋々決まってしまった実行委員の仕事だったけれど、いまはクラスのためになんとか貢献しようと私なりに必死になって頑張っている。


忙しくはあるけれど、なんだかんだ言ってもすごく楽しい。



それに。


「そこの実行委員、金を出せ」

「わっ……、もう、びっくりさせないでよ」

「ははっ、いい反応だったな。杏ちゃん」


拓海……好きな人と一緒に学校祭の準備だなんて、普通にやる以上に楽しくて、私はずっと笑っている気がする。


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