片想い同盟
凶器に見立てようとしたのか、うちわで私の背中を突く拓海に、ジト目で見つめる。
「あちー」と言いながらそのうちわでパタパタと自分を仰ぐ拓海に「なにやってんのよ」とつっこんだ。
「はい、これね。ちゃんとお使い行ってきてください。買い出し係さん」
「お使いって……子供かよ」
「寄り道しちゃダメだよ。迷子にならないで帰ってきてね」
「おい」
不服そうな表情をする拓海にケラケラ笑う。
実行委員になった私に「ドンマイ」と笑っていた拓海も、なんだかんだすごく手伝ってくれていた。