片想い同盟
拓海ともう1人の買い出し係を見送ったあとで、私も衣装係のみんなに混ざる。
「……それにしてもこれ、クオリティ高いね」
「えへへ〜、存分に怖がってもらおうと思って頑張っちゃった」
クラスメイトが手にしていた白い布とお面に、思わず眉をしかめてしまう。
布には所々に赤いペンキが飛び散るようにつけられていて、そのリアルさにもはや感動さえ覚えるレベル。
私たちのクラス───2年3組の出し物は、お化け屋敷だ。
暗くした教室内を迷路のようにして、中を通っていくお客さんを脅かしていくという計画。
このお化け屋敷がクラスの多数決で飛び抜けて多かったため、揉めることもなくすぐに決まった。