片想い同盟


なんとなく、最終的にたどり着いた場所は2年3組の教室だった。


もう一般生徒の下校時間を過ぎているから、教室内には誰も残っていない。



学校祭の準備期間ということもあって、机は綺麗に並ばずに列はガタガタだ。


ドアを開けてすぐ、私の席がある。

席替えをした私のいまの場所。



「……遠いな」


その場所から窓側の一番後ろの席は、なんだかいままで以上に遠くに感じる。



次は窓側に近寄って、窓の外を見つめた。


ここからはサッカー部の練習がよく見える。


その中でボールを蹴る拓海の姿を見つめて、唇をキュッと噛みしめた。


< 304 / 341 >

この作品をシェア

pagetop