片想い同盟
優希くんと白石さんの姿はない。
まだ保健室だろうか。それとも、優希くんが彼女を送って帰ったのだろうか。
本当は優希くんに今日の仕事が終わったことを伝えないといけないけれど、いまの気持ちじゃどうにも保健室に行く気にはなれなかった。
ただただ、白石さんには申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
彼女は、何もしてないのに。
どことなく、プレーしている拓海の動きもいつもよりよくない気がした。
大好きなサッカーのはずなのに、楽しそうじゃないというか、心ここにあらず。
そうさせているのは、白石さんへの気持ちか、それとも少しは私のことを気にしてくれてるのか。
この期に及んでそんなことを期待してしまう自分に、自嘲する。