片想い同盟
■ 片想い同盟終了
* 拓海 side *
いままで、こんなにも自分が情けないと思ったことはない。
「きゃ〜っ、杏樹ちゃん可愛い!メイクもバッチリ!」
「そ、そうかな……」
「うんっ、すっごく似合うよ!これで呼び込みよろしくね!」
教室の一角でそんな盛り上がりを見せる女子グループのことを、俺はただ遠巻きにぼーっと見つめるしかなかった。
学校祭、当日。
あの日以来、俺はまともにあいつに話しかけてられていない。
あんな最低なこと、言うんじゃなかった。
そう何度も何度も後悔したって、一度出した言葉が取り消せるわけもなくて。