片想い同盟
ゆっくりと頬を撫でる拓海のその手が優しすぎて、涙が出そうだった。
「な、んで……」
「お前なぁ……。まだ信じられないか」
やっぱり疑問の声をあげてしまう私に、拓海は困ったように笑う。
え、だって……本当に?
手を離して、照れたように口元を手の甲で隠した目の前の彼は、間違いなく、私が好きな人で。
「ずっと隣にいたいって思うし、いてくれたらバカみたいに安心するし。そのくせ、それと同じくらい……いや、それ以上にドキドキもする。こんなこと思うの、全部お前だけなんだよ」
「………」
「これ、"好き"以外に理由あると思う?」
確信めいたような言葉なのに、いつものような余裕がない。
そんな拓海の言葉も、表情も、全部がたまらなく愛おしくなって。