片想い同盟
私が素直に反応したからか、隣の拓海が「あー……」と反対の手で頭をかいた。
「……お前、そーゆーときは素直になんのな」
「え?」
「いや、なんでもない」
ふいっと視線を逸らした拓海の耳は、心なしか赤くなっていて。
「拓海でも照れることあるんだね」
「ば……っ!ちげぇよ」
それがなんだか可愛く思えてきてちょっとからかってみると、繋がれた手の力はさらに強くなった。
思わず目を見開く私に、まだ耳の赤みが引いてない拓海はニヤリと笑う。