片想い同盟


「あーあ、もうバカップルに付き合ってらんねーわ」


周りにいたみんなが、やれやれなんて肩をすくめる素振りをして離れていく。


ずっと付き合ってると勘違いされてきた私たちだから、いまさら周りにからかわれることはない。

わかってはいてもそれがなんだか不思議で、思わず拓海と顔を見合わせて笑った。


あぁ、くすぐったい。



それからも何人かに手を繋いでることを指摘されながらも、私たちは学校祭を回って遊んだ。


お腹が空いた、なんて言ってフライドポテトを食べて。次は喉が渇いたって言ってサイダーを飲む。


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