片想い同盟
拓海の言葉どおり、いつも……というか、いままでなら全く意識せずにやっていたことなのに。
「………」
「おっ」
パシッとそれを受け取って、私はゴクリとサイダーを喉に流し込んだ。
シュワシュワと弾ける炭酸が、さっきまで接客で使っていた喉を潤してくれる。
美味しい。生き返る。
けど。
「……っ、その顔やめろ。俺まで照れるから」
「だ、誰のせいだと」
体はサイダーのおかげでひんやり冷えたはずなのに、顔だけは熱い。というか真っ赤だと思う。
こんなに顔に出てしまっている私に「ったく……」なんて呆れる拓海も、耳が赤いから人のことは言えない。