片想い同盟


「ったく。それ以上喋るなら……口、塞いでやろうか」

「っ……!」


スッと離された体。

けれど次はその拓海の腕がスルリと私の髪をかき分け、頬を撫でた。



こ、こんな拓海知らない。


拓海があまりにも、愛おしそうな目で私を見るから。


「……じ、じゃあ……、もっと喋る」

「っ!……お前は〜……」


私も少しくらい、素直になってみようかな、なんて。


頬に触れられた拓海の手が、スルリとまた髪を撫でて、次は後頭部へと移動する。


まっすぐ見つめられた拓海の目からもう逃げることなんてできずに、私はそっと目を閉じた。



「……まじで、ムカつく」

「んっ……」


柔らかく触れた唇。

なんだか泣きたくなるくらいにそれはあったかくて、甘くて。


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