片想い同盟


「やっと追いついたよー……。って、あっ!唐沢くんも一緒だったんだね」


拓海の存在に気づいて、にこりと笑いかける白石さん。その笑顔は悔しいけれど、やっぱり可愛い。



あぁ、そうか。この3人、みんなサッカー部じゃん。

なんか、私部外者みたい。



「そうだ、ゆめ。なに飲みたい?やっぱりイチゴミルク?」

「えっ、本当に買ってくれるの?」

「当たり前でしょ。約束したじゃん」


目の前で行われている会話が、もう自分の入る隙がないことを見せつけられているようだった。



「あ、唐沢と遠山さんもなんか買うとこだったんだよね?お先にどうぞ」


優しい優希くんはそう言って順番を待ってくれたけれど、もう私はなにも飲む気にはなれなかった。



「……やっ、いいよ!私たち着替えに戻らないといけないし。ね、拓海……」


だから、もうこの場から離れたくて、必死で。


助けを求めるかのように拓海に声をかけてアイコンタクトを取ろうとし……たんだけれど。



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