片想い同盟
「おぉ、白石さん。高野も一緒か。相変わらず仲良いな」
いつもと変わらないテンションでまず反応したのは、拓海の方。
目の前に並んで現れた、白石さんと優希くん。優希くんは白石さんの一歩後ろに立っていて、いつもの優しい顔で「おはよう」と笑いかけてくれる。
「お、おはようっ、優希くん。白石さんも、おはようございます」
ぶっちゃけ白石さんとロクに会話をしたこともない私は、好きな人の好きな人と会話をする術を知らないからどこか不自然。
そんな私に、「同い年なんだから緊張しないでお話しよう」と彼女は可愛く笑いかけてくれた。
「なに緊張してんだよ、アホ」
「ったぁ……。アホって、あんたねぇ!」
バシッと背中に衝撃が走ったのは、そんなとき。
いつもと変わらないテンションで、拓海が私の背中を叩いたのだ。このふたりの前で。