片想い同盟



不毛。


そんなのわかってる。わかってるけど、そう簡単に好きなのをやめられないから辛いんだ。



それはきっと、拓海も同じ。



「あーあ。朝から湿っぽくなっちゃったね」

「ま、いい運動になっただろ」

「おかげで私はもうヘロヘロだよ」


机の上にうなだれる私に、拓海はおかしそうにケラケラ笑う。



体力、作らなきゃなぁ。中学時代の体力が皆無になりかけていて、正直へこんじゃうよ。



「あ、そういえば、来月あたり球技大会なかったっけ?」

「あれ、そうだっけ」


ふと思い出した学校行事に、ガバッと頭をあげる。


そうだよ、絶好な行事があるじゃないか。



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