片想い同盟
「普通その流れって、杏もバスケじゃね?」
「えー、拓海と一緒はだるい」
「うわー、傷つくわー」
あまりにも棒読みすぎるセリフに、思わずくすりと笑う。
意外と倍率も低かったらしく、私と拓海はそれぞれバレーとバスケにすんなり決まった。
「これで体力回復を狙う」
「まだ今朝のこと根に持ってんのかよ」
悪かったって、と拓海は謝るけれど、別に助けてもらったことには感謝してるから怒ってはいない。
ただ、次走らされたときにはもう少し息切れを少なくしたいだけ。
「拓海、練習付き合ってよ」
「は?俺暇じゃないんだけど」
「じゃあ暇にさせて」
「無茶言うな」
ペシッと頭を叩かれたけれど、私は知っている。なんだかんだ、拓海は付き合ってくれるって。